「目付きの悪い猫4」は、ただ目つきが悪いだけではない。 一見ぶっきらぼうな表情の裏に、言葉を超えた温度と空気を含んでいる。 あの、まっすぐではない視線。 半分だけ開いているようなまぶた。 淡々としているのに、妙に存在感のある姿勢。 それが、受け取った人に小さく刺さる。 こちらを試すようであり、許しているようでもある。 「別に気にしてないよ」 そう言いながら少し様子を伺っているような余白。 「で？」 と突き放しているようで、 「見てるよ」 とそっと寄り添っているようでもある。 感情の位置が曖昧で曖昧じゃない。 その微妙なニュアンスを、言葉ではなく表情一つで伝える。 スタンプの中であの存在は、 大声で主張しないのに空気を支配するタイプ。 強い印象を残すのに、押しつけがましくない。 淡々とそこにいるだけで、人の心を揺らす。 それが「目付きの悪い猫4」のすごさ。 ただの猫ではなく、感情の間を描き切った作品。 静かで、鋭くて、忘れられない魅力がある。（2025/12/06 16:32）